ken_nのブログ

西洋やアジア、また日本の近・現代史に関心があります。

2015-01-01から1年間の記事一覧

野に落ちし種子の行方を問いますな 東風吹く春の日を待ちたまえ

管野須賀子(菅野スガ)の石碑(1971.7.11建立)が正春寺の墓地にあるという。その寺は東京の代々木にあるそうだ。石碑の表には、次の和歌が刻まれているという。石碑の存在も、この和歌のことも、私はごく最近知った。 くろかねの 窓にさし入る 日の影の 移…

忍耐と集中力が誘うギボンの世界『ローマ帝国衰亡史』

数年前のことだ。 情報に翻弄されることの少ない田舎住まいだからこそ、その読書に集中できたのだろう。その対象とは、世界10大作品にも挙げられている書籍だ。もし東京に暮らし続けていたのならば、その本を手にしたとしても、11冊にもおよぶ大作なので、…

『戦争とたたかう』戦争「で」たたかうのではなく、戦争「と」たたかった憲法学者の苦悩

この本は、どんな内容なのか。私なりに述べれば、こうなる。 第二次大戦をフィリピンの激戦地で飢餓に加えて、マラリア(p.177-178)にアメーバー赤痢(p.249)を併発しながらの逃避行で死線をさ迷った老憲法学者がいた。彼は、人間の尊厳を踏みにじる軍隊と…